第85回東京大会の延期につきまして

 今般の新型コロナウィルス感染拡大により、不幸にもお亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。また、当該ウィルスに感染され、闘病生活をお送りの方々に、お見舞い申し上げます。さらに、当該感染症の治療に最前線で闘っておられる医療関係従事者の皆様、および膨大な問い合わせなどに真摯にかつ丁寧にご対応いただいている自治体関係者の皆様のご尽力に、心からの感謝と深い敬意を表します。

 さて、私共、日本陸水学会は、本年9月に東京・府中の東京農工大学において第85回東京大会を開催する予定でした。しかし、今般の新型コロナウィルス問題は今日に至るまで全国にわたって深刻さを増し、特に東京における状況は極めて被害が甚大であり、かつこの状況は今後しばらく継続するとの専門家の見方があります。このため、第85回東京大会実行委員会の皆様の大会に向けた準備は、今後益々の困難が予想されます。さらに、今般の深刻な状況は数か月以上にわたっての長期化も予想され、大会期間中の参加者皆様の安心安全を確保することが極めて難しいであろうと考えられます。

 今回の東京大会は、特に若い研究者の皆様におかれましては貴重な研究発表の場であり、そのことを通じて多くの研究者との議論を行い、ご自身の更なる飛躍のために重要な機会であったことと存じます。また、日本陸水学会の執行部としましては、我々の学会が抱える課題を東京大会において皆様と議論し、いくつかの新しい施策を実行に移し、次世代の研究者に夢と希望を持っていただく活動を展開すべく、大会の開催に大きな期待をして参りました。しかし、今般の新型コロナウィルス問題は上記の通り極めて深刻であり、第85回大会実行委員会の皆様のご辛労の多大なこと、およびよしんば開催しても参加者の皆様の安心安全の確保が困難と予想されることに鑑み、極めて苦渋の決断ではありますが、私共は日本陸水学会第85回東京大会を延期せざるを得ないとの結論に至りました。このような結論となりましたことを心よりお詫び申し上げますと共に、皆様におかれましては今般の我々の結論をご承諾賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。なお、次年度の大会につきましては、引き続き我々の議論を継続させていただきます。

 これまで、東京大会の開催に向けて多大なご尽力をいただいた関係者の皆様に、深く御礼を申し上げます。私共は、今回の大会延期に際しても決して精神的に負けることなく、我が国と世界の陸水学の発展のために皆様と共に誠心誠意尽くしてまいります。今後とも、我々の学会への温かいご支援とご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

日本陸水学会
会長 中野伸一